今後の注目どころ

色々と考えることが多いんだよね。IT技術全般のプログラミングスキルの向上は言うまでもなく行うつもりなんだけど、それを応用した特定のフレームワークや製品の云々の選択に入ると、判断に迷う。
ここ半年ほどは、Tapestryに興味を惹かれて、ちょこまかと(低スキルながら)Tapestryを弄ってきた。特にTapestryのHTMLテンプレートっていう考え方にすっごいインパクトを受けたんだ。JSPの場合に比べて、ページデザインの静的な箇所と、アプリケーションとしての動的な箇所をはっきりと分けて考えることができた。それってなかなか効果があるもんなんだよね。
だけどTapestryって小さくない問題があったりするんだ。Maya作者の栗原傑享さんがMayaドキュメントに書かれているようにTapestryフレームワークとして抱えている守備範囲が広すぎる。Tapestryの開発目的自体が、とっても大きすぎるんだ。

Apache Tapestry Home Page
Tapestry is a powerful, open-source, all-Java framework for creating leading edge web applications in Java.
Tapestry reconceptualizes web application development in terms of objects, methods and properties instead of URLs and query parameters.

JavaによるWebアプリケーション開発を根底から作り変えてやろうというとっても挑戦的なフレームワークなのだ。
そのために、他フレームワークとの連携は考慮されていないし、独自のコンポーネントモデルによってソフトウェア全体を構築しようとしている。
純粋に技術論だけでいうのなら、ロマンのある話であって大好きなんだけど、ぼくの学生生活は残りあと僅かになってしまってる。興味本位だけでガサガサと弄るのもどうかなって思うようになってきている。
TapestryがJavaWorldやJAVA PRESSで記事になってから、1年ほど経った。それでも世間的にTapestryはマイナーのフレームワークという印象を拭えていない。おそらくこれはTapestryの開発思想、Webアプリケーション開発を根底から作り直してやろう、という野心的な思想が影響で、広範囲の分野をカバーしようとした結果だと思うんだ。
広大な思想を抱えたTapestryが普及するのは無理があるのだろうか。ぼくに大きな影響を与えたくれたフレームワークが広く伝わらないまま記憶から廃れていくのはとても悲しいことだ。
幸いなことにぼくが大好きなTapestryのテンプレートエンジンとしての機能を備えた新しい技術が登場しようとしている。それがMayaであってS2JSFであったりする。両者ともテンプレートエンジンとしての機能に特化しているから、余計な心配をしなくても良い。
こういう技術が成熟してくれば、何もTapestry固執することはないんだよね。そう考えると、ある意味では救われたような気持ちにもなるし、別の意味ではたまらなく悲しくなったりもするんだ。