羊たちの沈黙

小説を読む前にDVDを見た影響で、文章を追いながらも次の展開を思い出しながら読んでしまうという愚かなことをしてしまった。ぼくにはこういった読み方はしない方がよいみたいだ。
内容としてはやっぱり原作だけあって映画版よりも一歩踏み込んだ物語が展開されている。何よりもベラ、サミイの存在がそれを際立たせている。
ただ、翻訳に難があってハニバル(ハンニバル)、クローフォド(クロフォード)など名前のカタカナ表記が不自然だったり、不必要に冗長で面白くない文体で書かれていたりした。(カタカナ表記はハンニバルでは修正されている)
原書で読めればそんな苦労もしないんだけど、ぼくの英語力ではたかが知れていますしね…(どなたか英語の勉強に適した小説を教えてください)。
DVD,小説を総合してこの作品を判断するとしたら、ぼくは低い判断をつけない。話の構成が面白いし、トマス・ハリスも連続殺人の犯行やFBIのことなどをよく研究して作った印象を受ける。
今はハンニバルを読んでいる。まだDVDでは観てない。おかげで進行が速い。ぼくはただ字面の物語を受け入れていくだけで良いんだから。余計なことを差し挟まなくてかまわない。これからの作品の楽しみ方もこんな感じで進めていくんじゃないかと考えてる。
ちなみにぼくが「羊たちの沈黙」で一番好きになったセリフは原作でのジャック・クロフォードのこの一言。
『愛してるよ、ベラ。』