村上春樹の本を三冊以上読まれた方に質問です。ワタシのように彼… - 人力検索はてな

ノルウェイの森」を薦める人の気がしれない。大抵はそういう人の意見を読んでも参考になることは少ない。
ぼくは「ノルウェイの森」に対して随分と流行が過ぎ去った後に読んだので変な先入観を持たずに素直に入れた。(この本を読む前に「ねじまき鳥クロニカル」読むくらい最近のこと)
実に良い作品だし村上春樹作品の代表作であることは間違いない。しかし、ぼくは「ノルウェイの森」を『初めての村上春樹小説』として薦めることは決してしない。
なぜか。それはこの小説が狡猾に人の心をかきたてようとするからだ。ある意味では卑怯といっても間違いではないと思う。
ノルウェイの森」は羊ばかりが生息する島に連れてこられた狼だ。穏やかに生きることしか知らない羊たちは次々と狼に狩られてゆくしかない。羊は生を保てなくなるのだ。狼は島の生態系を崩してしまうように、「ノルウェイの森」にも同じような鋭利なものを感じる。
ぼくたちの心の奥底、とてもやわらかいものを、この小説はそっと引っ掻いてゆくのである。読者に気づかれることなく。
だから、ぼくは村上春樹が日本の文学をダメにした、という論調があるのなら、ある意味ではそれは正しい意見だと思う。

という訳で、ぼくは人に表題の件を薦めるときは「スプートニクの恋人」にしている。この小説は決して代表作と呼べるものではないが、初期の村上春樹作品を統括しているような、特別な仕上げになっている。
物語の内容と分量のバランスが絶妙に良く、万人に薦められる内容だと思うんだけど、どうなんだろう。

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んー。ちょっと上手いこと文章を書けてないけど、仕方ないか。。