グリーンマイル

昔、この映画が日本で上映されたときに、ジョン・コーフィー役の俳優が田中麗奈と何故か対談(?)みたいなことをしていたのを覚えている。当時も今も流行りモノには興味がない性格なので、特に気にすることはなかった。
そして10年近く過ぎた今、ブックオフの100円コーナーで売られてるのを見つけるまで、頭の片隅の遠い距離に、グリーンマイルはひっそりと息を潜めていた。
内容としては、かなり出来過ぎなストーリーなんだけど、スティーブン・キング特有の筆質でとても面白く読める。これは一種の魔法と言っても良いかもしれない。まぎれもなくキングは小説家である。ある意味では卑怯に思えるほどに。
モダン・ホラーとは何か?それはこの小説の結末で語られているように思える*1。日本のたたりとか怨念みたいなホラーとは全然違うけれど、これはれっきとしたホラーである。ぼくたちはキングを通して、そこに近づくことができる。暗い穴の底を覗き込むことができる。
もっとも、暗闇の中を見通せられるだけの目を持っていれば、の話なんだけど。

*1:小説の巻末や映画の紹介で「感動のラスト」とか言ってるけれど、どこが感動なのかまったく理解しかねる。ぼくは感動よりもむしろ、かなりの衝撃を受けたんだけど…