レイモンド・チャンドラー『さらば、愛しき女よ。』

チャンドラーは「長いお別れ」「湖中の女」に続いて3冊目。それまで読んでいた小説から気分を変えてみたくて、古本で購入して積読していたこの本を手に取った。
読書時間をそれほど設けたわけではないけれど、1週間くらいで読み終えた。チャンドラーの小説の魅力はなんといってもそのハードボイルドな視点である。登場人物がもつ非情さと、物語全体をつつむ哀切。
マーロウが、何度も死に掛けているのにもかかわらず、1人で賭博船に乗り込んでいく場面などに、ぼくはチャンドラー作品の面白さを感じた。